みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

山から下りると

ルカの福音書 9章37−50節

 土曜日に近くの公園に行き、見つけました、春を告げる三つの花々を。いつもの場所での咲き始めです。でも、気温はまだまだ低いです。

 「山を下りると」ということばは、イエスと弟子のうちのペテロとヨハネとヤコブが山に上っていたことに続く出来事がここに置かれているということです。三人の弟子たちが山の上で目撃したのは、腰を抜かすほどの驚きと感動の光景です。

 しかし、山の下でイエスたちに待ち構えていたのは、ほかの弟子たちのふがいなさです。イエスは、弟子たちが苦しむ子どもから汚れた霊を追い出すことができなかったことについて、「不信仰な曲がった時代だ」と言っておられます。弟子たちは追い出そうと試みたのです。……だめでした。「不信仰な…」ということばから、弟子たちがどのような動機で行ったのかを想像してしまいます。

 二つ目は、イエスの受難予告ヘを弟子たちが理解できなかったことです。ルカはそのわけを、「彼らには分からないように、彼らから隠されていた」と解きます。これは、弟子たちには責任がないという意味ではありません。すぐあとに「彼らは、…イエスに尋ねるのを恐れていた」とありますので、自分たちのイエスへの期待が裏切られたくないと考えていたのでしょう。山の上でのイエスのお姿を目撃した三人は、特にそう思ったに違いありません。

 三つ目は、弟子たちの順位争いです。イエスのことばが分からない彼らは、だれがいちばん偉いのかとの議論で持ち切りでした。それを知ったイエスは、子どもを彼らの前に置き、「あなたがたの中でいちばん小さい者が、いちばん偉い」と言われました。

 弟子たちには、ますますイエスのことばが理解できなかったことでしょう。ここでの弟子たちの姿は他人事ではありません。