みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

重い遺言

列王記第一 2章1−25節


 「みことばの光」左側のページには、[365]の数字を含んだアイコンがあり、下に聖書箇所が記されています。これは、1年で聖書全巻を読み通すことのできるスケジュールに基きその日読む聖書です。この頃は聖書を読んだ後この聖書を「ともに聞く聖書」で聴くことにしているので遅れることはなくなりました。お試しになってください。

 2章前半は、二つの出来事に分けることができます。ここでは前半について考えます。

 それは、ソロモン王へのダビデの遺言です。ダビデはソロモンに「強く、男らしくありなさい」と命じます。新王に「強く」と命じるのは、存分に権力を振るえということではありません。続く言葉からそれは、主の道に歩む強さ、主の前を歩むことにおける確かさという意味であると考えます。

 これは、ダビデが考え出した命令ではありません。「モーセの律法の書に書かれているとおりに」なのです。そしてこれを守る者への約束も伴ったものなのです。そうすれば、「何をしても、どこへ向かっても、栄える」のです。

 5節以下は遺言の後半です。それはダビデ王の近くにいた者たちのうち、ヨアブとシムイを殺すようにとの命令です。どちらも「白髪頭を…よみに下らせる」ということばを用いています。

 5節でダビデは、「ヨアブは彼ら(アブネルとアマサ)を虐殺し、平和な時に戦いの血を流し、自分の腰の帯と足の靴に戦いの血をつけた」と言っています。あえてここで、謀反の首謀者であった三男アブサロムをヨアブが殺害したことにダビデが触れていないのは、ヨアブを殺害することが決して個人的な恨み、復讐ではないことを明らかにしようとしたのだと思います。

 王の意向を無視するかのようにして、冷酷にライバルを死に追いやるヨアブの不気味さをずっと覚え続けていたダビデは、ソロモンにヨアブの処罰を託すのです。それが果たして神が立てられた王が為すべき公平なさばきだったのかという点において、疑問が残ります。

 ソロモンにとってまことに重い遺言です。