みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

「わが敵」こそ真の味方

列王記第一 21章17−29節

おまえは私を見つけたのか。わが敵よ。」 列王記第一 21章20節

 礼拝の再開のために、お借りしている教会を訪ねました。すでに礼拝堂には椅子が間隔をかけて置かれており、7日から礼拝を再開するとのこと。日本語教会の再開はもう少しあとになります。

 アハブは妻イゼベルの悪巧みによって、欲しかったナボテのぶどう畑を手に入れました。16節には、ナボテが死んだと聞いてすぐにアハブがぶどう畑を取り上げに向かったとありますので、よほど欲しかったのだろうと想像してしまいます。

 アハブイゼベル夫妻にとっては、これでめでたしめでたしというはずでしたが、その一部始終をご覧になっている神が二人の罪を放っておくはずはありません。神はエリヤを遣わしてアハブとイゼベルがさばかれることを伝えさせます。神の怒りのことばがアハブに届けられます。

 目に留まるのはエリヤが現れた時のアハブのことば。「おまえは私を見つけたのか、わが敵よ」とは、「どうしておまえは私を見つけたりするんだ!」というように、一番嫌な相手に会ってしまうとは…という思いの表れでしょうか。

 神のことばを直言するエリヤを「わが敵よ」と呼ぶのですが、実はエリヤこそアハブの方向を転換させるための大切なメッセージを運ぶ者、真の味方なのです。

 アハブがこの時、主の前にへりくだったのは神のことばを自分なりに真剣に受け入れたということでしょう。しかし、彼の方向が転換することはなかったのです。